内視鏡で自分の胃の“ピロリ菌感染状態”を知ることが大切
ヘリコバクターピロリが胃がんの原因であることは、もう皆さん知って頂いていると思います。ピロリ菌感染状態とは“将来の胃がんになり易さのステージ”と思って下さい。
- ① ピロリ菌未感染胃(ピロリ菌に一度も感染したことがない胃=正常胃)
これは過去に一度もピロリ菌に感染したことが無い胃の状態で、 将来胃がんの発生は極めてまれと考えられています - ② ピロリ菌現感染胃(ピロリ菌に現在感染している胃)
放置しておくと胃粘膜の萎縮が進み、将来胃がんの発生が①の未感染胃に比べて15倍以上高く、除菌を必ず受けるべき胃の状態です - ③ ピロリ菌既感染胃(過去にピロリ菌に感染したが現在認めない胃)
- A:ピロリ菌感染後萎縮が進行してピロリ菌が自然消失した胃
- B:除菌後の胃で現在ピロリ菌を認めない胃
- A:ピロリ菌感染が長期にわたり胃の粘膜の萎縮が進んで、ピロリ菌が住めなくなった状態で、②の現感染胃よりもさらに胃がんの発生率が高いとされており、毎年必ず内視鏡でのフォローが必要です
- B:除菌後の胃は胃がんの発生が約3分の1に低下しますが、①の未感染胃に比べると胃がんになり易く、除菌後も毎年内視鏡によるフォローが必要です
以上より、胃がんになり易い胃の状態は
③ A ② ③ B ①
の順となります。
③ A ② ③ B ①
の順となります。
内視鏡をうけられた方は“自分の胃が ① ② ③ のどの状態の胃であるか”を知ることがとても重要だと思います。なぜなら、それによって自分の胃の将来の方向性をある程度知ることができるからです。
患者さん一人一人が自分の胃のピロリ菌感染状態を知り、そのステージに合わせて内視鏡検査と治療を受けていけば、より確実な胃がんの予防が可能です。
2年前より優れた胃薬が認可されて、ピロリ菌除菌率は99%以上に飛躍的に向上しました。ピロリ菌除菌による胃がんの予防は、他のがんの予防よりずっと身近で確実なものだと思います。“家族のためにも胃がんで死なない”という強い思いで、一人でも多くの方が内視鏡検査を受けられることをお勧めします。
詳しく知りたい方は“ヘリコバクターピロリ感染症認定医”の私が親身にご相談をお受けいたします。お気軽にお越しください。
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